<アンプの知識>
スポンサード リンク
2007/11/05 日記<アンプ>
アンプ
アンプは音声を増幅する音響機器。英語名amplifierの略称から慣例的にこのように呼ばれることが多い。入力信号の電圧、電流または電力を大きくして出力する(それぞれ、電圧増幅・電流増幅・電力増幅)電子回路である。用途、出力の大きさ、付加機能によりいくつかの種類がある。
音響分野
音響分野では、レコードプレーヤー、CDプレーヤー、チューナー、コンパクトカセット|カセットプレーヤーなどの再生装置からの出力を増幅する増幅器をプリアンプ、あるいはコントロールアンプと呼び、プリアンプからの出力をスピーカーを鳴らせるほどまで増幅する増幅器をメインアンプあるいはパワーアンプと呼ぶ。1台で両方の機能を持つアンプをプリメインアンプまたはインテグレーテッドアンプ(総合アンプ)という。プリメインアンプの中には、プリ部とメイン部を切り離して使えるものもあった。
プリアンプ
レコードが主なメディアだった時代は、カートリッジの微少な出力を増幅し、RIAA特性を平坦にするフォノイコライザアンプが必要で、プリアンプに内蔵されることがほとんどだった。この部分だけを独立させたものをフォノアンプなどという。現在では主要メディアがCDに移行し、もはやフォノイコライザを持たない機種もある。その点ではプリアンプの意義は薄れている。だが、プリアンプは単に信号を増幅するだけでなく、高音域、中音域、低音域をそれぞれ大きくしたり小さくしたりできるトーン・コントロールつまみや、ステレオの左右の信号の大きさを調整する(左右)バランス調整つまみ、複数接続されている再生装置のどれを再生するかを選べる入力切替スイッチ(入力セレクタ・スイッチ)、テープレコーダへの入出力を制御するテープモニタースイッチなどの機能が付いていることが多い。
パワーアンプ(メインアンプ)
これに対し、パワーアンプは、単に電力を増幅するだけで、出力音量を調整するボリュームつまみが唯一付いているだけの機器が一般的である。また、プリアンプの使用を前提とし、ボリュームすら無いものも少なくない。コンパクトディスク|CD時代になり、機器の出力レベルとインピーダンスがラインにほぼ統一された現在、プリアンプによる音質の劣化を嫌い、CDプレーヤー等を直接パワーアンプに接続する場合もある。パワーアンプは高級オーディオに用いられる関係上、電力効率の悪いA級動作をするものが多いので、放熱に注意しなければならない。
プリメインアンプ
インテグレ−ティッドアンプともいう。プリアンプとメインアンプの両方の機能を単一の筐体に持たせたもの。現在では一般的にはこの形が標準となっている。上記のプリアンプの持つ機能を持つから、前面にはそのような入力切り替えや音量と音質調節のボタン類が並び、背面には各種入力端子と共にスピーカ用の端子がある。スピーカを二系統切り替えられるようになっているものも多い。安価な機種ではさらにチューナーを内蔵したチューナーアンプ、CDプレーヤーを組み込んだ機種などもある。高級機種は普通はセパレートアンプ、つまりプリアンプとパワーアンプを分けるので、プリメインアンプには100万円を超えるような機種はまずないが、しかし次第に高額機種も出現している。そのようなものでは、外見では一体ではあるが、内部はほぼ完全に区分されている例もある。また、外部にプリ部分とメイン部分の接続端子を持つ例もある。それを繋いだままなら一体のプリメインアンプとして使え、それを外せば別のプリアンプ、あるいはパワーアンプを接続してセパレートアンプとして使える。グレ−ドアップする際に一気に買い換えせずにすむ、という利点がある。
増幅素子
初期の頃は、電磁力と機械機構を組み合わせた物が使われたが、真空管が発明されると飛躍的に性能が向上しラジオ、電気蓄音機に組み込まれた。現在では真空管に代わってトランジスタや集積回路|IC等が使われ、電力効率、寿命が著しく向上した。アナログ回路が主流であるが、入力信号をデジタル化して内部処理をすべてデジタル信号のまま処理するデジタルアンプも実用化されている。現在でも一部オーディオマニアの間では真空管によって増幅された音質が好まれることがあるため、これらの需要を満たすためロシアや東欧、中国で生産され続けていた真空管が用いられるだけでなく、米国ウエスタンエレクトリック社では真空管の再生産を始めた。
デジタルアンプ
近年ではデジタルアンプも注目されている。今日、一般にデジタルアンプとは音声変調したPWM波やパルス変調|PDM波の形で増幅するアンプをいう。従って、デジタル入力を備えた製品でも、CDなどから入力されたデジタル信号(PCM信号)をそのまま増幅するわけではない。また、かつてCDが登場した頃にデジタルアンプと呼ばれた、DAコンバータを内蔵しデジタル入力を持つアンプとも本質的に異なる。増幅課程でパルス波しか用いないためD級増幅回路が使用でき、アナログアンプに比べ電力効率が飛躍的に高いことが最大の特長である。高電力効率の特長を活かせる小型オーディオや携帯オーディオなどのアンプとしてよく用いられるほか、従来のアナログアンプにない特長を活かしたハイエンド機のアンプとして販売されているものもある。
例えば、1999年8月にシャープが世界初のデジタルアンプとして発売したΔΣ変調|ΔΣ1bitデジタルアンプ SM-SX100は、同社が十数年ぶりに発売した高級オーディオアンプ(標準価格100万円)であり、その後もモデルチェンジを重ねている。
AVアンプ(AVセンター)
オーディオビジュアルアンプ(センター)。ホームシアター用のアンプである。映像信号の入出力もでき、セレクターとしての機能も持っているのが、AVアンプの特徴である。前述のプリアンプ、プリメインアンプがCD等を初めとする左右2chの信号を扱うのに対して、AVアンプは一般的にフロント左右、サラウンド左右、センター、ウーハーの5.1ch分(ウーハーは再生する音声信号が低音成分のみの狭い音域のために、0.1chと表現されている)に加え映像信号を扱う。最近ではサラウンドバックなどを加えた6.1ch、7.1ch、9.1ch音声の再生に対応した製品も存在する。DVDプレーヤー等からデジタル出力されたソースに対応するものが多い。音楽専用の2chアンプに比べて多くのチャンネルの音声と映像信号を同時に制御するため、同価格の物では内部の部品や電子回路の品質に差があったり、音声の再生に不要なノイズの発生や回路の複雑化、他チャンネルが干渉し合うことがある。このためAVアンプの音質は、同価格帯プリメインアンプの音質と比べて劣ると言われている。
ヘッドホンアンプ
ヘッドホン専用のアンプ。ヘッドホン端子の無い製品に接続する目的や、より高音質でヘッドホンリスニングする為に使用される。複数台のヘッドホンの同時使用が可能な製品も多く存在し、複数人がヘッドフォンで同じ入力をモニターできる。
ICアンプとディスクリートアンプ
アンプには信号増幅をIC(集積回路)で行うICアンプと、集積していない回路で行うディスクリートアンプがある。ICアンプのメリットは、部品点数を減らしてコストを下げられることと、全体のサイズを縮小できることにある。ディスクリートアンプのメリットは、部品を選定してより品質の高い回路を組めることにある。
著名なブランド
アキュフェーズ
エアー
エソテリック
クィックシルバー
クラッセ
クレル
ゴールドムンド
コニサー
山水電気
ジェフローランド
スペクトラル
TacT(タクト)
チェロ
トライゴン
NuForce
ハルクロ
パス
マークレビンソン
マッキントッシュ・ラボ|マッキントッシュ
マランツ
ラックスマン LUXMAN 旧名ラックス
LINN(リン)
YBA
ヴィオラ
VTL*主に低価格機から一部高級機を販売している企業やブランド
オンキヨー ONKYO
ケンウッド kenwood 旧社名TRIO(トリオ)
シャープ SHARP
ソニー SONY
ティアック
テクニクス
デノン DENON
日本ビクター JVCもしくは Victor
日本マランツ Marantz
パイオニア
フライングモール FLYING MOLE
ヤマハ YAMAHA
ローテル Rotel
EK JAPAN ELEKIT
東芝 Aurex(オーレックス)シリーズ
日立製作所 Lo-D
A&D
JBL
級について
アンプには、増幅方式を示す分類としてA級・B級・AB級・D級などがある。これは、製品の優劣による等級ではなく、増幅回路の方式による分類である。(詳しくは増幅回路を参照のこと。)
増幅素子では出力が小さすぎる場合や大きすぎる場合に歪が発生するが、級の違いによってこの歪に対する対処の仕方が異なる。そのため、音響機器としてのアンプの増幅方式の違いは大きな関心事だからである。
メインアンプの場合、主にスピーカへの出力を担う増幅回路(出力段、終段と呼ばれる)の方式によって分類される。増幅回路にはA級・B級・AB級・C級・D級の分類があるが、アンプでは主にA級とAB級が使われる。A級アンプのほうが、B級動作に伴う歪みが原理的に存在しないために、音質面で有利とされる。
C級は動作原理上、音響機器では使用されない。
D級はデジタルアンプで使用される回路であるが、アナログアンプとはその原理が異なるため、比較に使われることはない。具体的な動作の概要を以下に示すが、説明を簡単にするための例え話として以下のようなアンプの動作を考える。
A級
A級はバイアスを多くかけ、入力を歪みのない範囲に収める方式である。(入力「-4から4」に5を加え、「+1から+9」とする)
アンプの入力が0を跨がないことからゼロクロス歪みの心配はない。常にバイアスをかけ続けるために無音入力時にも直流電力を消費し発熱するので、設置場所を選ぶことになる。
一素子の動作範囲でしか出力を得られない(例では+1から+9の間しか入力できない)ため、発熱の点を除いても出力を大きくしづらい。
B級
B級は波を正負に(入力「-4から4」を「-4から0」と「0から4」)に分割し、別々に増幅を行う方式。バイアスはかけない。
各増幅素子には0から9(負側は-9)までの入力が出来るのだから、入力範囲は「-9から9」まで耐えられることになり、A級より出力を大きくできることが判る。
しかし、0から1(-1)の歪みのある範囲に入力があるため、ゼロクロス歪を生じることになる。歪みを生じることが判っているため、音響機器のアンプに純粋なB級動作は使われない。この歪みは次のAB級動作とすることで、殆ど解消できるからである。一般にB級と呼ばれているアンプはバイアスのごく小さなAB級アンプである。
AB級
AB級はA級とB級を組み合わせたもので、波を上下に分割してそこに少量のバイアスを加える(入力「-4から4」をB級と同様に分割し、それぞれ-1/+1して「-5から-1」と「1から5」とする)方式。
バイアスをかけたことで小信号ではA級動作となり小出力時の歪が回避でき、波を分割したことでB級と同じく大出力を得やすい。(例では-8から8まで入力できる。)ただし、正負のアンプの特性のアンバランスがあれば、分割した波を再びつなぎ合わせる際に歪が現れる。
また、この例のような小さなバイアスの方式は回路上AB級だが、製品としてはB級アンプと呼ばれることがある。
D級
D級はモーターなどの駆動を低損失で行うために使用されてきた方式である。入力信号は周波数の高いパルス信号で、出力も電源を入力の通りにON/OFFしたパルス列である。つまり、増幅素子は単にスイッチのような働きをする。(仮に上記で使用したアンプ素子でいえば 0 と 9 しか入力しないことに相当)
バイアスによるアイドル電流もなく、アンプ素子はON/OFFのスイッチ動作は素子の抵抗も最小であるため、高効率のアンプを構成できる。近年のデジタル技術と組み合わせ、入力パルス信号を音声変調(パルス幅を変化させるPWM、または、パルス密度を変化させるPDM)することで、今日のデジタルアンプを構成する。
アナログ増幅とは全く異なる動作をするため前述の歪とも無縁であるが、アナログ入力を量子化すれば量子化歪みや折り返しノイズが発生するし、高周波を扱うことによるスイッチングノイズがあるなど、D級特有の課題もある。
増幅回路上の分類ではない名称
電子回路上の増幅回路分類ではない、級に類似した呼称を以下に挙げる。必要とされる出力に応じてバイアス量を変化させ、動作をA〜AB級に変化させる仕組みがあり、ピュアA級、ノンスイッチングA級、スーパーA、HCA回路、クォータA、オートピュアAなど、各社で異なる。
類似した名称として、Dual Amp Class A(ヤマハ)、Class AA(テクニクス:松下)などがある。これは電圧を受け持つA級アンプに電流を受け持つAB級アンプを並列に組み合わせて大出力に対応する回路である。上記は何れもA級アンプの効率改善を狙ったものであり、疑似A級などと総称される。
過去に流行した時期があったが、現在は普及価格機に採用が見られる。現在の高級機器には寧ろ単純なA級が多く、上記の疑似A級と区別するために純A級と呼ばれる。E級ドライブとは、Lo-D(日立製作所|日立)のアンプで使用されていた、信号の大きさによって電源電圧の高低を切り替え、アンプの効率を高める方法である。
関連項目
comment(" >0) trackback(" >9)
|
◆アンプについてピックアップ アンプには信号増幅をIC(集積回路)で行うICアンプと、集積していない回路で行うディスクリートアンプがある。ICアンプのメリットは、部品点数を減らしてコストを下げられることと、全体のサイズを縮小できることにある。ディスクリートアンプのメリットは、部品を選定してより品質の高い回路を組めることにある。著名なブランド 主に高級機を販売している企業やブランド ラ... |



